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 ハンス・ファン・デル・ルフト著
   『Geketende Democratie (鎖に繋がれたデモクラシー)』


   ドルフ・ファン・フラース(元テル・アペル在住)による書評

 ドルフ・ファン・フラースは日本に魅せられ、まずその国を度々旅行し、数多くの貴重な経験を得ました。オランダ、フローニンゲン州、テル・アペルの元住人である彼自身が、これについて次のように書いています。

 「1982年、私は本がいっぱい入った重いリュックサックを担いで、日本を知るため自分の足で歩く、長くてゆっくりとした旅行を始めました。そこに住むことや日本人と結婚することは、全く想像したことがありませんでした。」

 しかし愛が、予定されていたかのように、そしてただただ不思議で素晴らしい気持ちが、彼を捉えました。文香さんがドルフの心を奪いました。
 二人は結婚し、アムステルダムに住み、それからテル・アペルに移りました。ドルフ自身、そこは本当にパラダイスのようであった、と述べています。
 日本への移住がはっきりとした形を取り始めたのも、ここでした。そして遂に2005年、実際にその第一歩が踏み出されました。ドルフは、そこでの別れを書いています。

 「南フローニンゲン、テル・アペルで過ごす最後の週に、私たちは盛大なお別れパーティを開きました。隣人たちは、パーティ用のテントを借りて立て、椅子を運んで手伝ってくれ、突然マイクロフォンが現れたりもしました。訪れた人たちはお別れのスピーチをし歌いました。私たちのファミリードクターも、消防署の署長も来てくれました。その数週間前には、新聞にインタビューもされました。涙が流れ、一瞬こっそり抜け出したいと思ったことも何度かありましたが、感動に満ちた素晴らしい日であったと言わなければなりません。お天気も最高でした。私たちが日本に着いて数週間後に、そのパーティを撮影した2枚のCD-ROMが送られてきました。私たちは二人とも、それらを涙なしに見ることが出来ませんでした。」


 一つのパラダイスから、もう一つのパラダイスへ? 日本の佐川(高知県)の以前水田であったところに、金賞を獲得(於第29回INAXデザインコンテスト)する素晴らしい家 (Landhuis in Sakawa) が建てられました。山の風景に良く合い、山に溶け込むように、豊かな自然に囲まれて。

美しい風景の中の Landhuis in Sakawa(高知県佐川町)


 ドルフさんと文香さん について






>>佐川物語 (英語版の一部)

>>Sakawa Monogatari (英語)

>>The earth-story (英語)


 Landhuis in Sakawa について


>>内野設計

>>佐川町





   書評:『Geketende Democratie(に繋がれたデモクラシー)
          -
Japan achter de schermen(舞台裏の日本)
       ハンス・ファン・デル・ルフト著 (2008年)

 「又日本についての本か ... フゥー ... 」 と最初は懐疑的でしたが、説得力があり、情報が多く、明快であるというのが読後の感想です。ファン・デル・ルフトは事情通であることをを示し、分かりやすい言葉で味わい深く書き、様々な事実でもって納得のゆく仕方で日本を批判します。「味わい深く」の意味には、彼が時には分析を最小限にとどめたり、微妙な違いを無視したり、コメントの記述にポピュリスムを使っていることも含まれています。
 私の妻は、表紙の女性の顔はメーキャップも含めて「中国人」で、「日本人」は両手を組み合わせ口の前に指を立てたりはしない、と言いました。あるがままに。

 「日本」は構造的な汚職の国で、どうしようもない日和見主義が横行しており、まず政治がそうですが、警察も又巧妙に手を汚しています。この二つの他、まだ多くの分野に、それは存在しています。この国には、厳格に、同情心なく自身の利害を見守っている、数えられないほど多くの一団(または「カルテル」)や閉ざされたグループが存在しています。例えば、医療の世界、司法、報道、官僚、そして又警察や不健康な政治の中に。組織化されたナンセンスは国技のようで、振る舞いのルールや動機は、既に「考え抜かれて」います。
 国民の傾向には、不活性、恐れ、非能率、不正直、不公平がたっぷり含まれています。年季の入った日本のポリフォニーの幻影が、ちょうど大きな世界宗教のように、すでに何十年も - もう何世紀も、と私は言いましょう - とても奇妙に、又シニカルに、存在しています。そこからの病的な性格は巧みに無視されます。
 浪費、あらゆる事やあらゆる人への抑制なき権力の行使、抑圧、嘘と半分の真実、策謀、独断、搾取、無責任、狂気、信頼できない、無能力、という言葉において、「大宗教」と特徴づけられる「日本」に敵う国はありません。
 それとぴったり合った為政者たちの明らかな侮り、あるいはそれより少しましかもしれない、とにかく税金をたくさん払っている市民に対する構造的な無関心が、至る所で見られます。納税以外、屋根やバルコニーから飛び降りたり、家や森の中で首を吊ったり、家族が中にいる家を燃やしたり、又新しい方法で、小さなグループが念入りに目張りした車の中で排ガス自殺したりもします。そのような自殺者が1年間に3万人を超えています。
 これらすべて、更にもっと悲惨なことが、外から中を見ることが出来る大きな透明のベル・ジャーの下で起こっています。「日本」はこの惑星での外国人 - ガイジン - のように見えます。この世界のものではなく。

 強い憤りと共に、道義的な非難がわき起こります。これと似かよった状況で、マールテン・トーンダーはオリー・B・ボメルに言わせます。  「トム・プース、何とかしろ!」   トム・プース:... 「 フム... 」 (注)
 為政者たちや「当局」の鉄面皮な恥ずべき態度、奇妙な思考システムを、ファン・デル・ルフトは、彼の論評、ジャーナリスティックな論文の中で、かなり徹底的に物笑いの種にしています。ファン・デル・ルフトのほとんど衒学的とも言える記述も、このような彼の業績のため許されると言えるでしょう。
 よく「ベルギー(あるいは、イタリア)の混乱」が笑い話にされますが、この本を読んだ後ではベルギーやイタリアのそれは「幼児」のようで、日本はバナナ共和国の一つなのだろうかと考えてしまいます。
 日本はいずれにせよ、寄生虫のような政治家や他の幾つかの「カルテル」にとって、理想的な国です。

 オランダについて、このような本が書かれることがあるでしょうか?

 日本に好感を持っている、あるいはロマンティックな感情を抱いている人たちは、読まない方が良いでしょう。
 策謀、無知、極端な浪費に関わる事実が、完全ではないにしろ集められたものを読みましたが、これら一連の事柄は、普通のポルダー論理では理解することは出来ませんでした。

                                                  Dolf van Graas
                                                  2009年1月12日


注:


トム・プースは、オランダのマールテン・トーンダー作、漫画シリーズ『トム・プース』に出てくる猫の名前。もう一つの主要キャラクターは熊のオリバー・B・ボメル。
>>Tom Poes(英語)






Hans van der Lugt(ハンス・ファン・デル・ルフト)

 ハンス・ファン・デル・ルフトは、10年間 NRC-ハンデルスブラットの特派員をしていた経験から、日本人の間で騒ぎを起こすことになりそうな、この本を著しました。この時期、彼は政治家たちや活動家たちと話し、又街の人たちとも話しました。彼は「日本外国特派員協会」を代表して、外国人ジャーナリストの入場許可のような事柄を外務大臣や皇居と折衝し、それらを通して、密閉され閉じられた扉の背後での仕事を好む政府について、より広く知る機会を得ました。
 ハンス・ファン・デル・ルフトは又、高橋玄監督の映画「ポチの告白」の中で、ジャーナリストのヤン・ヨーステンを演じており、この映画は1月24日から東京、大阪、名古屋でロードショー公開されます。日本で時々起こる警察の不祥事に初めて光を当てた、衝撃的な映画です。この映画のハイライトの一つは、警察犯罪が外部に明かされた記者会見の場面で、これは外国特派員協会で撮影されました。



この映画について
   >>「ポチの告白」オフィシャルサイト
 
ハンス・ファン・デル・ルフトさんについて
   >> ニュースの現場で考えること」-第2次記者クラブ訴訟の法廷にて
                 (ファン・デル・ルフト氏の陳述書が載っています)
   >>「経済広報 No.311」
    (p2 「駐日特派員の眼」に、ファン・デル・ルフト氏へのインタビュー記事が載っています)



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